"うつ病 体験"ブログ

うつ病 体験記(進行形)

ストレス社会の中で発症してしまった「うつ病」の体験記、思いやノウハウなどを記します

ストレスチェック

今年も会社でのストレスチェックが実施された。 そもそもこのチェックとは何なのかを再確認し、実施結果や所感を記録しておく。 

 

厚労省マニュアルより

厚労省が定めている導入マニュアルを読むと以下のように定義されている。

ストレスチェックって何?

・「ストレスチェック」とは、ストレスに関する質問票(選択回答)に労働者が記入し、それを集計・分析することで、自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査 ・「労働安全衛生法」という法律が改正されて、労働者が 50人以上いる事業所では、2015年12月から、毎年1回、この検査を全ての労働者に対して実施することが義務付けられた

目的

労働者が自分のストレスの状態を知ることで、 ・ストレスをためすぎないように対処したり ・ストレスが高い状態の場合は医師の面接を受けて助言をもらったり ・会社側に仕事の軽減などの措置を実施してもらったり ・職場の改善につなげたり することで 「うつ」など のメンタルヘルス不調を未然に防止するための仕組み。

気を付けること

ストレスチェック制度は、労働者の個人情報が適切に保護され、 不正な目的で利用されないようにすることで、労働者も安心して受け、適切な対応や改善につなげられる仕組み。 このことを念頭において、情報の取扱いに留意するとともに、不利益な取扱いを防止。  

 

チェック方法

厚労省の義務化を受けて、実際に会社はどのような手段で行っているのか、各社様々ではあると思う。 我が社では以下のようにチェックを実施している。 外部サイト(専門のサービス会社)を用いて、厚労省マニュアルにあるような設問に回答していくものであり、以下のような構成になっている。

・現在のストレス要因に関する設問:17項目

・ストレス反応に関する設問:29項目

・ストレス緩衝要因に関する設問:11項目

・時間管理に関する設問:5項目

身体活動に関する設問:6項目

・集中力・対人関係に関する設問:9項目

・仕事の結果に関する設問:5項目

5段階程度の選択肢から選んでチェックしていく。 少し気になったのは、設問が「過去2週間の間で***だったか?」といった狭い期間を指定しているものが多く、その間で偶然仕事が緩やかだったりした場合には有効だとは思えなかった。 年に1度を義務付けられているならば、せめて過去数か月、半年、1年レベルでどうなのかを問うべきだと感じた。

 

チェック結果

自身でチェックした結果は、サイト上で即時(機械的に)解析されて、結果が表示される。 以下のような結果であった。

ストレス状況

今回の結果によると、あなたには仕事に関してストレスを感じている要因はあまりないものの、こころとからだの反応がみられ、何らかのストレスをかかえていることがうかがわれます。 ストレス反応の大きさにかかわらず、それを長くかかえていると、こころやからだに不調が現れることがあります。あなたのストレスプロフィールを確認し、健康相談にお役立てください。

ストレス反応

あなたの場合、活気が低く、抑うつ感が高く、また、身体愁訴が多いようです。 あなたが仕事に関してストレスを感じている要因については、仕事の量的負担、質的負担、対人関係上のストレス、仕事のコントロール度に問題はありませんでした。

アドバイス

今回の結果によると、あなたのストレスプロフィールにおいて、一部のストレス反応が高くなっていました。職場や家庭でストレスの要因となることが思い浮かびましたか? 要因の有無にかかわらず、社内外の健康管理スタッフ(産業医保健師・カウンセラーなど)に相談することも一つの方法です。 また、普段からの健康づくり(食事・運動・睡眠など)を心がけ、これからも定期的にストレスチェックを受けていきましょう。

 

結果に対する所感

ストレス要因が仕事上少ないと診断されたのは、上述したように過去2週間で考えれば、無理をしない配慮があるから、ただそれだけのことであろう。

仕事量や質、対人、仕事のコントロールにも問題はないとなっているが、これも同様の理由でしかない。 その他のストレス状況は言われなくても分かっている情報でしかない。

アドバイスについては、正直「うるさいわ!」としか感じなかった。 これも分かり切っていることで、明確に「医師との面談が必要」とも記載されておらず、一つの方法だとしか言っていない。

また定期的にこのチェックを受けること自体には何の改善効果もなく、自分で気を付けて、このチェックを使って良くなっているか確認せよ、としか読み取れない。 ※このようなサービスで稼いでいる外部サイトにも、それを安易に利用している自社にも、腹立たしさを覚えた。

 

これで終わり?

チェック自体はこれで完了であるが、厚労省マニュアルにある段階の最初の一段階に過ぎない。 「評価・医師の面談指導要否の判定」以降の責務が曖昧ではあるが、「会社として実施せよ」とは記載されていないため、あくまでも自己で結果から判断して申出をしない限り、会社としては何もしない、というスタンスとも受け取れる。

 

会社ではこういった仕組みがせっかく存在しているにも関わらず、それを利用した対策を考えないことに疑問を感じる。 休職者が増える中で、「社内の面談で気づく」を対策として打ち出してはいるが、それで本当に気付ける気はしていない。

 

厚労省の言う「個人情報の適切な保護」という部分があるために詳細を見ないようにしているのだろうか。 しかし、これはあくまでも不正利用を防止するものであり、「労働者の安心」、「適切な対応や改善につなげる」という意味では、むしろ会社は知るべきことではないかと思えてくる。

 

結局のところ、診断結果は既にうつ状態である私自身にとっては何の気付きもなく、「そうだろう」程度にしかなっていない。

この検査は何なのだろう。 個人としても疑問は持つが、厚労省(国)としても義務化した以上、企業からの結果報告(傾向や実際の病気人数割合など)も義務化して指導するなど実施すべきではないか、とも思えて来る。

 

誰がどの程度の思いで始めたことなのか、働き方改革にしてもしかり、目的を明確にしてそれを果たす活動であって欲しいと願う。 未然防止が目的であるから、既に患っている自分にとっては何の意味もないもの、と受け取って納得はするが、今、苦しんでいる人に役立てるものであっても、もう少し本気の活動であって欲しい。